暮らしの中のフェアトレード 
ナマケモノダイブ vol.1  暮らしの中でのカブヤ編みと染色について
         
vol.2  村でいれる、インタグコーヒーの味 
         vol.3  超楽しいカブヤ生産者組合の会議へgo!


後ろにいるのがsra.Carmen。キャリア長いので、 この人のタグがついているカブヤ製品を持っている方も多いのでは?

カブヤ編みの産地、サンタロサに向かうバスの中で偶然、カブヤグループのメンバーの一人、カルメンさんに会った。

カルメンさんが最近編む水筒ホルダーの模様は独創的で、商品を検品する際に「これ誰が作ったんだろう?」と名札をみると、彼女であることが多い。

私がバスの運転手とカブヤの生産者組合について話していると、
「実は私もメンバーなのよ」と言って、後ろから背中をつつかれた。

 振り返えるとそこにあったのは、なつかしい顔!「カブヤの帽子をかぶっていたから、声をかけようと思ってたの。あなただったのね!」
  彼女の隣の席の知らないおじさんや、そのおじさんがつれている子供、私の隣の席の女性を巻き込んで、生産者グループの話になる。周りの人たちも多分耳をそばだてて聞いている。
「糸の染色も自分たちでしているの?」「売り先は日本だけ?」
「何人くらいでやっているの」。
興味津々の顔で、次つぎに質問をし、みんなだんだんと羨ましそうな表情になる。そのときのカルメンおばさんの誇らしそうな顔ったらなかった。

サンタロサへ↑ 馬で来たよ↓

バス停からサンタロサへは、歩き。飛行機を降りて、バスを乗り継いでも、この道をひとりで歩くまでは、身体の芯からエクアドルに着いた気がしない。少しずつ深まる雲霧林の道を、沈むように一歩一歩奥へ。

サンタロサのカルロスさんのキャビンに着くと、少年達がヘビを見つけて遊んでいたので、仲間に入れてもらう(やばい、もう仕事を忘れている!)。日が暮れかかる頃、まだ会ったことのない赤ちゃん、エミリーを連れたノルマが、翌日、臨時で会議を開くことを伝えにきてくれた。

翌朝午前9時。馬に乗って、歩いて、丘の上に建てられた寺子屋に、みんなが集まってくる。

最初に私から、日本で今どんな風に商品を受け取り、検品をし、タグを付けて、販売しているかという話と、お客さんの感想を話した。
それから、新製品の詳細を伝達したり、一つ一つの発注をみんなで振り分けたり、日本の冬にも売れるカブヤの商品を一緒に考えたり。

一日中続く話し合いがこんなに楽しいとはびっくり、そんな会議だった。

↑男の人と子どもは外で待ってる

赤ちゃんが小屋の中でぐずっても、ある程度は放っておく、でもここぞというときは遠慮なく席を立つ。

会議のあいだ、一緒にきた男と子どもは、外で待っている。
もう4年も前にはじめて彼女達にあったとき、
「どうして女のひとだけの組合なんですか?」と質問すると、

「この地域では例えば飴をひとつ買うのにも、男の人に伺いを立てるような風習があったんです。でも、女だけでもできるってことを(男に対して)示すためにも、女性組合にしました。」という答えが帰ってきたことを覚えている。

飴だって自由に買えないような男女の権利(っていうのかな)の格差に思いを馳せ、がんばって欲しい、とは思いながらも、「男に対して女もできるってことを示すために」なんて言い回しは正直、「ちょっとこわーい」と思っていた。

でも、4年経った今、相当素敵な傾向があらわれはじめた。

実は、例えば仲間の誰かの所に新しい商品の編み方を習いにいくとき、最近ではその家の旦那もいそいそとついていって、隣で一緒に習いながら編んでいるんだそうだ。それも、決まったひと組のカップルの話しではなく、これが結構ある場面なんだって。

ただ暇だから着いていくのか、カブヤを編むのが楽しいのか、それとも忙しい奥さんに代わってこっそりお父さんも内職しているのかは分からない。
だけど、その「いそいそ」という感じが、見ているだけでなく実際編んでしまうという事実が、ものすごくフェアな景色に思えて、心地がよい。
彼女達がつくりたかった世界は、なるほど、こういうものだったみたい。

今回の会合でも、奥さんと一緒に小屋まで来て、朝から木の下で他の家の子どもまで一緒に子守りをしているおじさんがいた。男の人達は誰も、私たちが彼らにカブヤや女性達について聞く時、少し羨ましさの混じった尊敬を込めて、奥さんたちのことを答えてくれる。

南と北のフェアや、自然と人間のフェア、今の世代と未来の世代のフェア。
こんなにしなやかに「女と男のフェア」を作れた彼女たちとなら作ってゆける気がするのだ。

 


TAXSOのアイスを食べるメルセデス。

ノルマは、牛乳とTAXSOという果物で、アイスキャンディーを作ってみんなに売っていた。私には一本くれたんだけど、亜熱帯の味。とっても美味しかった。街で売っているかき氷のシロップみたいな味のアイスよりもずっと。

このグループは、他の村の生産者グループが立ち上げた、新しいプロジェクトの手作り石けんを共同購入したり、仕事が多いときは隣の地域にある12人のカブヤのグループに注文をシェアすることもしている。オーダーを割り振るときは、帽子の中に紙でつくったクジを入れて、くじびき!仕事のやりがいをたずねるアンケート*では、「この仲間と一緒に働けることが楽しい」と、ほとんどのメンバーが書いていたのが印象的だった。

私の知っている人の中でも、鉱山開発会社に土地を売って、インタグの地域から出て行ってしまった家族がいる。地域に一緒に暮らしたい仲間がいるということ。仲間たちと共に、ゆっくり育てていきたい仕事があるということ。それはとても大事なことだと思う。


くじ引きをしてるラウラ。


ノルマがいつも帰りに編んでくれる雫のお守り。
今回、商品化してきました。もうすぐ入荷!

ある旅行者からの注文で、マットに編み込む星の模様の色が指定されている。何色だったか忘れたが、その色の糸をどう確保するかという話になった。「あの山のかなり上の方に一本、染料になる樹があったけど、他のグループの**さんが取っていっちゃったよ。」。少し憤りを込めて誰かが言う。そこで、「さあ、どうしよう」となる。「いや、もしかしたらあそこの家にもあったから、糸にしてもらおうか。」「でも彼らは糸に高いお金をとるよ。」。。。それを聞いていたら、日本から色を指定することのバカらしさが、だんだんと分かってきた。

 森と向き合っているのは彼女たちで、その時々にとれる染料を、樹のあり様や近所の他の人とも折り合いをつけながら採集して、その時出せる色に仕立てる。そうして、いまここにある糸の中で、表現できるパターンを考えながら編む。つまり、模様とは、彼女たちの「森との付き合い方」そのものなのだ。私たちにできることは、それをコントロールすることではなく、彼女たちの時間の中に生まれた一つ一つ違うパターンの価値や、その面白みを伝えること。地球の反対側にいても、そうすることでエクアドルの森とつながれる気がする。つまり、模様を指定しない商品の方が、ずっと森に近い。色を指定せざるをえない商品もたまにはあるけど、年間契約の中でそのバランスを考えていかなくちゃ。そう思った。

今回、一つとても気になったことがあった。
"ayuda"ー助けるという意味の言葉。

注文についてみんなで話していたときも、私がアンケートをとった際も、メンバーが「注文」をもらうことを「援助」という言葉で表すことが多かった。直接は言い出せなかったんだけど、お昼ごはんを食べながら、私はサンディーにその疑問をぶつけてみた。

私たちは彼女たちの素敵な商品を買っている。地域の草や染料を使って、こんなにオリジナリティーのある商品を生み出せること。それは、世界的に見たって、一つのモデルであると思うこと。私たちは、これは援助ではなく、ビジネスだと思っていること。サンディーにそう言うと、彼女は「あなたがそう感じでいることはとても面白い」と嬉しそうにいった。そして休憩のあと、すぐにみんなにそれを伝えた。ずっと昔から友だちのノルマをはじめとして、こっちを見ているみんなの目が、だんだんキラキラしていくのが分かった。

謙虚になることは大事だけど、自信がないのはもったいないことだと思う。そして彼女たちと対等であれるように、私たちはスペシャルな売り手にならなくちゃ。

 

カブヤ生産者組合 アンケート結果は集計中ですが、バスの中にいたカルメンさんのアンケート公開!

Carmen Herrera カルメン エレラさん 36歳 8人家族 

メッセージ:日本は、私たちがこの民芸品の仕事をできる機会をくれた最初の土地です。ありがとう。

9つの好きなこと:まずは、家族の面倒をみること。/その次に、働くこと。/カブヤ編み/そして仲間とのシェア/花/お料理すること/洗濯をすること/カブヤを収穫すること/そして、宿題をしてる息子たちと一緒に居ること。 

カブヤの仕事はあなたにとって:家族とより豊かに暮らし、また自分達の作る製品をもっと良くするために、女性グループのメンバーとしてカブヤに関するあらゆる仕事を学んでいます。
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